ROLEX ロレックス デイトジャスト オーバーホール、研磨及び部品交換、修理・料金のご紹介

修理料金
86,800円(税抜)
修理期間
約3週間
オーバーホール 研磨 その他

今回ご紹介する時計修理事例は、ロレックスの「オイスター・パーペチュアル・デイトジャスト」です。数あるロレックスの中でも圧倒的な知名度を誇るロングセラーで、時計修理工房にも「デイトジャスト」の修理依頼を多数頂いております。

お送りいただいたのはこちらのお時計です。
・ROLEX デイトジャスト Ref.16233
・ムーブメント:Cal.3135
外装からもオーナー様がかなり使い込まれた様子がうかがえ、非常に愛着のあるお時計とお見受けいたします。丁寧に修理させていただきたいと思います。

今回はオーバーホール(分解掃除)を行うため、時計の分解を行う必要があります。
まずは本体からベルトを取り外します。

裏蓋を外します。
蓋の内側に、純正品であることを裏付ける「ROLEX」の刻印を確認できます。
ベゼルに錆や汚れらしきものが確認できますが、これらはケースの研磨によって取り除くことができます。

自動巻き機構を取り外します。
扇形の大きな部品はローターといい、ゼンマイを巻き上げるための錘(おもり)の役割をしています。腕に時計をつけて動かすと、中でローターが回転して自動的にゼンマイを巻き上げる仕組みです。

リューズを引き抜き、ケースからムーブメントを外します。
ムーブメントは2本の「機止めネジ」でケースに固定されており、ネジを緩めるとムーブメントを取り外すことができます。
ケースから外した後、リューズは元の位置に戻しておきます。

専用の針抜き器を用いて長針・短針・秒針を外します。
針を外す際には、針そのものを傷めないだけでなく、文字盤にも傷をつけないように注意しなければなりません。文字盤は傷をつけてしまうと修復が難しく、交換やメーカー対応となる場合もあります。慎重な作業が要求される針外しは、時計修理職人の腕の見せ所ともいえるでしょう。

文字盤とカレンダーディスクを外します。
文字盤は、ムーブメント側面の2つのネジ(干支止めネジ)を緩めて外します。緩めたネジは洗浄中に外れてしまわないよう締めておきます。

先ほど取り外した、自動巻き部分を分解します。
オーバーホールは部品の1つ1つを洗浄するため、全ての部品をばらしておく必要があります。

写真の赤い歯車は「切り替え車」といい、ロレックスでは傷みやすい部分です。この部分が摩耗したり油が減ってきたりすると、ゼンマイを巻く時にリューズが固くなるなどの症状が現れますが、定期的にオーバーホールを行えば10年程度は使い続けられます。

続いて、ムーブメントを分解していきます。
複雑に組み合った多数の歯車やパーツを一つ一つ、正しい順序で分解していくには、高い修理技術と経験、知識が要求されます。

ムーブメントの分解が完了しました。
今回の時計に使われているムーブメント「Cal.3135」は、1989年のリリース以降30年以上にわたって使われており、シンプルながら高い耐久性と安定性を誇るモデルです。

パーツの中にキャリバーナンバーが記載されています。

時計の心臓部にあたる「テンプ」です。規則正しい往復回転運動により時計を正確に動かします。

このテンプをはじめ、機構内の歯車やパーツは休むことなく動き続けています。長期間駆動する間に回転軸や歯車が摩耗し、動作にぶれや異常が生じてくると、時計は正確に動かなくなります。だから定期的なオーバーホールで、時計内部の状態を点検する必要があるのです。

分解したパーツは、専用のバスケットに入れた後、時計洗浄機にセットして洗浄を行います。

部品を洗浄した後は、分解した時と逆の手順で組み立てていきます。組み立ての過程で、適切な箇所に注油も行います。

また今回の修理では、通常は行わない工程として「香箱」の交換が必要でした。
香箱とは、ゼンマイが入っている薄いて丸いケースです。

自動巻き時計には、ゼンマイを限界以上に巻こうとするとゼンマイが香箱の内部で滑り、巻き過ぎを防ぐ「スリッピング」という機能があります。
このスリッピングには、香箱の内壁にある溝が関わっているのですが、今回のお時計はその溝が摩耗によってほとんどなくなっていました。そのため通常よりも早くスリッピングが起こり、ゼンマイが十分に巻かれず、持続時間も短く(通常45~48時間のところ、40時間程度)なっていたのです。

写真の赤丸部分が、溝のあった箇所です。溝を深くするために職人が削ってみたのですが問題が解消しなかったため、今回は香箱ごと交換という判断になりました。

こちらが新しい香箱です。パッケージの表記からも純正品であることが分かります。

今回はこの香箱の交換やゴムパッキンの交換も、組み立てと並行で行いました。
さらに今回は研磨のご依頼もありましたので、対応いたしました。

全ての部品をケースに収め、ベルトを取り付け、性能テストを終えれば無事修理完了です。
このたびはご利用いただき誠にありがとうございました。

  • 分解調整(分解、洗浄、調整、注油、組立、点検) 39,800円(税抜)
  • パッキン・ゼンマイ交換セット 10,000円(税抜)
  • 香箱交換【社外品】 23,000円(税抜)
  • 研磨仕上げ【時計全体】 14,000円(税抜)

合計 86,800円(税抜)

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