今回オメガ スピードマスター プロフェッショナル(OMEGA SPEEDMASTER PROFESSIONAL) の修理・料金の紹介です。
オメガは世界でロレックスにつぐ二番目の売れ行きを誇る時計です。 なかでもスピードマスターはオメガの象徴とも言われ、1969年に人類が初の月面着陸をした際にクルーが着用していたことでも知られています。高性能・高機能でデザイン性にも優れたモデルです。
オメガ スピードマスター プロフェッショナル(OMEGA SPEEDMASTER PROFESSIONAL)は秒針・30分計・12時間計のクロノグラフが付いた手巻きの時計ですが、今回持ち込まれた時計は定期メンテナンスのオーバーホールと、風防(ガラス)交換がご依頼内容です。
風防には目でも確認できるレベルの細かいキスが多数あります。
オーバーホール(分解調整)から作業を行います。
オーバーホールでは時計内部のオイル劣化や汚れの除去、回路点検を行います。作業開始前にリューズを回して、ゼンマイや針、の動作に異常がないことも確認しておきます。
風防、ベルト、裏ブタを外します。
次の画像の右の部品はアンチマグネットカバーです。アンチマグネットカバーは裏ぶたのすぐ内側にあり、磁気やホコリから時計内部を守っています。
画像左は裏ぶたですが、宇宙に行った時計の証しの如く「FLIGHT-QUALIFIED BY NASA FOR ALL MANNED SPACE MISSIONS(すべての有人宇宙計画のためにNASAが認定した)」「THE FIRST WATCH WORN ON THE MOON(着けられて月に行った最初の腕時計)」と刻まれています。
風防には、よく目を凝らしてみると、中央にオメガのマークが入っています。これがオメガ純正品の証しです。
文字盤部分を分解していきます。
次の画像左上の文字盤が右下のように分解されます。見えづらいですが針6本も確認できます。
内部を分解していきます。
部品は鉄や真鍮で出来ています。部品の中でも負荷がかかるものは鉄で出来ています。鉄は湿気や水分が混入すれば錆びる可能性がありますが、摩耗への耐性に優れた素材です。
一般的に時計修理のドライバーは12種類あり、さらに部品のサイズや溝の深さ・幅により細分化されていて、部品に合わせて使い分けています。
工具や洗浄機は出来上がりを左右するものですので、当店では質の高いものを揃えています。
次の画像は出車です。
リューズを回した時に出車が振動すると歩度に影響を与えますので、出車は振動しないようまっすぐに取付け、他の部品に力を正確に伝えられるよう調整します。こうしたことにより時計の精度は上がります。
次の画像はテンプです。テンプは時計における「頭脳」の役割を果たす部品です。テンプには中央に細い「ヒゲ」と呼ばれる金属帯があり、これがテンプの命ですので、ヒゲが絡まるのを防ぐため、テンプは本体に取付けたまま洗浄します。
「頭脳」に続き、時計の「心臓部」であるゼンマイも分解していきます。
これで分解完了です。分解した部品は容器に入れ、専用の洗浄機で洗っていきます。
オーバーホールののち、ガラス交換も終えたオメガ スピードマスター プロフェッショナルです。
新しい風防になりましたから当然お預かり時に見られたガラス面のキズはなく、文字盤が見やすくなりました。
この度はご利用いただき、ありがとうございました。
【修理費用内訳】
・ オーバーホール 39,800円(税抜)
・ ガラス交換 15,000円(税抜)